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半島。老舗。酒蔵。これらの言葉から思い浮かぶのは、人情味は溢れるけども少し閉鎖的な昔ながらの職場でしょうか。
寒風吹きすさぶ季節は蔵へ泊まり込み、長時間労働で酒造りを行うイメージを持つ方もいるかもしれません。
そんな勝手な想像を良い意味で裏切ってくれる場所が、能登半島にあります。
能登町で150年以上事業を営む数馬酒造 ーーー銘酒「竹葉(ちくは)」で知られている老舗の酒蔵です。
酒造りはチーム戦 ー お客様の声を酒造りに活かす
能登でお酒と言えば、「能登杜氏」と言われる専門職集団の存在が連想されますが、この数馬酒造では、季節雇用による杜氏制度を廃止しており、社員が醸造責任者となったチームで酒造りを行っています。
「実は、職人の世界というより、けっこうチーム戦なんです。
一人でもくもくという感じではなくて、みんなでワイワイという感じ」
そう語るのは、醸造責任者の栗間さん。東京都出身、東京農大の醸造科で学び、新卒で数馬酒造に入社。20代のころに立候補して、数馬酒造の醸造責任者として活躍しています。
もともと酒造りに携わっていた栗間さんが醸造責任者となることで、想いを一つにした酒造りができます。
仕込みの時期が終わっても、蔵を離れず、次期の仕込みへの改善点などを話し合うことができるのが社員チームでの酒造りの利点といえます。
どのようにお客様にお酒が届いているか、お客様からどんな反応があるのか、営業や広報、出荷場の人たちの声を聞き、社内コミュニケーションを深めることで、次の酒造りに活かすことができるのです。
数馬酒造では、「竹葉 いか純米」や「竹葉 能登牛純米」のような、食材特化型の日本酒ラインナップがあります。これらも、能登にゆかりのある食材を知っていただくことに加え、飲食店の店員さんがお客様から聞かれる「この料理に合うお酒は?」という質問に答えやすくするというもの。売り場の声が、年間を通して醸造の現場に伝わるということが、数馬酒造の商品開発力の秘密だったのですね。
子育て中も自分に合った働きやすい環境
社員による醸造になったことで、社内の体制づくりも積極的に進めてきました。
これまで、醸造課社員の早朝深夜作業・泊まり込みの廃止、通年雇用の促進だけでなく、時短勤務や在宅勤でのリモート勤務など、時代に合わせたフレキシブルな働き方を実現させています。
入社3年目の寺口さんは、結婚を機に他県から能登町に移住された女性です。お子さんが小さいときは、午前中だけの勤務でしたが、その後、9時から15時までの勤務に。
「早退をしたり、子どもの急な病気などでも休みをとりやすかったです。
皆さんにサポートしていただいて。」
さらに、これまで事務や販売を担当していた寺口さんは、この春から醸造に携わるようになりました。重いものを持ったり、熱湯があったり、機械を動かしたりと危険な作業もありますが、大丈夫なのでしょうか。
「私は事務の仕事も好きですけど、身体を動かして働く方が好きで、ごはんが美味しくて、健康的です。
それに、さりげなく気遣って手伝ってくれる、優しいメンバーばかりなので、助かっています。」
そして、酒造りについても女性ならではの視点で魅力を語ってくれました。
「蔵に入って、酵母が生きている音を聴くのもかわいらしい。
ぽこぽこしている発酵の様子を見ると、お酒も生きているんだなって。」
ラベルを貼って出荷されていくお酒を母のような気持ちで見守る寺口さん。
お子さんの成長に合わせて、柔軟な働き方と新しいチャレンジをしているようですね。
ライフステージに合わせて、柔軟な働き方を実現していけるよう、数馬酒造では「働きやすい環境づくり」に取り組んでいます。最近では、男性醸造課社員の長期育休取得もあります。
<数馬酒造で取り組んでいる働きやすい職場づくり>
- 酒造業界の通例から脱却した体制
- 季節雇用ではなく、通年雇用による醸造社員の正社員化
- 泊まり込みの廃止
- 早朝深夜作業の廃止
- 女性醸造社員の配置
- 地元の異業種経営者の期間限定採用
- 働きやすさを追求する柔軟な体制の導入
- 若手正社員を責任者に据えた挑戦しやすい職場づくり
- 時差勤務、時短勤務、リモートワークの導入
- 男性社員の育休取得
社員さんの「時間」を大切にする経営者
5代目の蔵元、數馬嘉一郎(かずま かいちろう)さんは、24歳でUターンをしてから経営者となって12年。変化を起こしにくい業界構造の中で、時代に合った酒蔵へと変えてきた数馬酒造の”今”を醸す人です。
ご紹介してきた、働きやすい環境づくりの仕掛け人でもあります。
「『社員さんの時間を大切にする』ことに重きを置いています。 ひとりひとりの人柄や強みが活かされるように、仕事も、仕事以外の時間も豊かで充実したものであってほしい。 目指しているのは、能登での暮らしを楽しみながら専心できる働き方です。」
明治2年に(江戸時代より続く生業であった醤油製造業に加え)清酒業へ進出してから、今年で154年目。歴史の重みを感じます。長く続いてきたものを変えていくには、かなりの労力が必要だったのではないでしょうか。
「数馬酒造は、これまでも長く続いてきて、これからも続いていく中で、先代たちからのバトンが、たまたま自分に任されています。この時代の数馬酒造の経営に必要な要素を持っているのが自分なのだと理解しています。経営を通して自分らしさや強みを発揮していけたらと考えています。」
なるほど。歴史の中の「いま」を担当しているからこそ、持続可能な形に変えていくことが、続けていくために必要なのですね。醸造環境を変えていくこと。それが、「いま」を担当する経営者としての判断でした。
守るために変えていく。地域の課題をビジネスで解決していく。SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が生まれるずっと前から、地域のより良い未来のための行動を体現しているのです。
「一回、やってみるか」と言えるフラットな職場
数馬酒造は、自分たちで変えていけるタイプの蔵です、と教えてくれたのは、社長の4つ年下の弟で、瓶詰や醸造を担当する數馬 慧祐(かずまけいすけ)さん。
年上のベテランから「この作業はこういうもんや!」と言われるのではなく、あらゆることが話し合いで決められていくのだそう。
醸造責任者が若いこともあり、変えてみることや効率を良くすることに積極的なので、年下の後輩からも、こうした方がいいんじゃないですか?という意見を言いやすいのです。
長年同じ人がやっていると当たり前になって気づかないようなことも、新しく入ってこられる方には、疑問に思うこともあります。
歳に関係なく意見が言いやすいので、作業の準備や片付け、動線的なことなど、どんな些細なことでも言ってみると、「一回、やってみるか」となります。
やってみて、良ければ採用。それほどでもなければ、却下。
現場を常に改善していこうという雰囲気があるのです。
数馬酒造で働くことは、自分の環境をよりよく変えていく担い手になれる、ということも大きな魅力ですね。
人材領域のホワイト企業に与えられる「ユースエール認定企業」
ユースエール認証とは、ユース(Youth=若者)とエール(Yell=応援)というふたつの言葉からできており、若者の採用や育成に積極的だと認める中小企業に対して厚生労働大臣から贈られる称号のことでです。
数馬酒造は、本サイトでも紹介している数々の取り組みが認められ、酒蔵としては北陸初となる認定企業となりました。
<コーディネーターから一言>
今回、記事を作成するにあたり、社員さんにインタビューさせてもらいました。経営者の言葉と社員さんの本音が、見事に一致していることに感心しきりでした。自分たちの力で会社を良くしていけるという感覚が、社員さんの言葉の端々から感じられるのです。
本当に、数馬酒造は「いいチーム」です。若い人や社歴の浅い人も、年齢や経験、役職に関係なく、自分の意見を言い合って、そこから会社をより良くしていこうという社風があります。そして、今回の募集はそのチームの一員になれるチャンス。能登にこんな魅力的な職場があることを紹介できて、嬉しいです!
募集情報
会社名 | 数馬酒造株式会社 |
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公式WEBサイト | https://chikuha.co.jp/ |
募集職種 | 製造部 醸造課 |
雇用形態 | 正社員 |
仕事内容 | 【製造部 醸造課】日本酒・醤油・リキュールの醸造 |
給与・その他手当等 | 《給与》 月給:200,000〜250,000円 昇給:年1回 12,000円〜18,000円/月(前年度実績) 賞与:年2回(7月・12月)2.2ヶ月(前年度実績) 《手当》 家族手当 通勤手当(上限:15,000円) |
福利厚生・待遇 | 社会保険完備(健康保険・厚生年金保険・労働者災害補償保険・雇用保険) 社員割引(自社製品) 制服貸与 清酒学校(石川県酒造組合連合会主宰)受講支援 セミナー受講支援 利き酒能力向上支援 フォークリフト運転技能講習受講支援 書籍購入支援 |
勤務地 | 石川県鳳珠郡能登町宇出津へ36 |
勤務時間 | 【製造部 醸造課】日本酒仕込み期間:8時30分〜18時(休憩90分) ・日本酒仕込み期間外:8時30分〜17時30分(休憩90分) |
休日等 | 《休暇・休日》 ●10月〜3月(日本酒醸造期間):当社カレンダーによるシフト制(月7日休み+正月休暇3日) ●4月〜9月:土日祝日(GW・お盆休みあり) 《年間休日数》 年間休日:105日 《有給休暇》 平均取得日数:13.6日(前年度実績) |